ご依頼から完成までの流れ

リフォームの依頼は、
設計者の視点から、耐震プラン・間取りプラン作成、
インテリアコーディネーターの視点から、カラースキーム・ムードボード・インテリア(照明・家具・ファブリック)の提案を行っています。
その中で、まずは、お客様の未来像を共有することを重視しています。

ライフスタイル診断

生活に関するアンケートや好きな施工例・趣味嗜好からライフスタイル診断します。
本当の日常を客観視することで、ご家族、あるいはご本人でさえも気付いていない個々の「ライフスタイル」を認識できます。また、居心地の良さを左右するお好みのインテリアスタイルを導き出します。

ライフスタイル診断の抜粋
お客様から頂いたイメージ写真

ファーストプランの提示

インテリア診断をもとに「理想のプラン」を3パターンご提案します。
各プランには、間取りだけでなく内観パースもご用意します。

詳細図面作成

プラン選定後、詳細図面・仕様書を作成します。プランだけで見積もり依頼はしません。それは、材料の選定・細かい納まりで金額が違うからです。実は、安くしようとすれば、安い材料・スペースだけで収納部材がないなどコストを省くことは出来ます。それでは、本当の金額がわかりません。たとえ、後で金額の調整をすることになっても、全体像を見極めることが、納得のいくご提案ができると考えています。同じアイスでもハーゲンダッツのアイスとスーパーカップの値段は違います。どちらがよいというのではなく、お客様が望まれた雰囲気を出すための材料を選定いたします。

最終プランのご提案

見積提出後、予算の調整・ショールームのご案内をいたし、最終プランを作成いたします。

工事用図面の作成

最終プランが決まりると、工事着工の準備です。大工さんが仕事もしやすい図面作成を心がけていますが、場合によっては、現場で打合せもします。

現場完成

家具は、提案だけでなく、お手持ちの家具にあわせたカラースキームも行っています。
お手持ちのインテリア雑貨が映える「暮らしを楽しむ空間」作りを大切にしています。

10月号室内装飾新聞に掲載されました!

ICの視点から~ロンドンの「エアビー」

最近耳にする「エアビー」をご存じですか?エアビーとは、Airbnb(エアビーアンドビー)の通称で、世界191カ国以上で利用されている民泊サービスです。エアビーのウェブサイトでは、いろいろな国の宿泊施設を手軽に比較できます。普通の家から、お城やヴィラなど歴史ある建物もあり、宿泊先選びが楽しいのも魅力の一つです。

 昨年、エアビーで探したロンドン宿泊先は、残念ながら貴族の館ではなく、郊外の庶民的な家ですが、ロンドンの普通の家のインテリア事情を体験することができました。

 私は、海外でホテルではない普通の家に泊まるのは初めてでした。驚いたことは、2LDKの間取りに対し、シャワーとトイレが2箇所あるところ!豪邸だけではなく、庶民的な家にも個室ごとにバス・トイレがあるんだと感心してしまいました。約4.5畳の広さにトイレ・洗面台・シャワー付きのバスタブ・タオルウォーマーがあり、内装は、大理石調タイルの壁とPタイルの床でした。設備自体は安価なのですが、広々とした空間が白で統一され、日本の一般的な浴室より格上なインテリアに感じました。

バスルーム


バスタブの一部にガラスの仕切りがあり、シャワーの飛沫よけになっています。タオルウォーマーは初めて使ったのですが、タオルがいつもふかふかで気持ちがよかったです。

タオルウォーマー

タオルウォーマーのおかげで、部屋もほのかに暖かく、寒さを感じませんでした。トイレと一緒のスペースとはいえ、バスタブにお湯を張ると、ユニットバスより解放感があり、まさに海外気分。旅先で歩き疲れた身体を癒しながら、極上のひと時を感じました。入浴後は、お湯を抜くついでに軽くバスタブを磨いておけばよいので、掃除も楽でした。(基本的に、民泊宿はホテルと違って掃除は自分でします)

 個人的にラッキーだったのは、一部バスタブ側面のパネル(エプロン部分)が剝がれていたこと。(普通はアンラッキーか!)おかげでバスタブの下地を覗き見することができました。バスタブ裏側は木枠で下地を造り、薄いキッチンパネルを貼って配管を隠しています。これだと安いFRPのバスタブで充分です。あまりに簡単な造りで、びっくりしました。床に洗い場がない海外スタイルは施工もラフで済みますね。また、日本スタイルでは、脱衣室とトイレとユニットバスを合わせて最低4.5畳くらいのスペースは必要ですが、同じ4.5畳でも一体化することで広々としたスペースになります。個人宅ではなかなか提案しにくいスタイルですが、民泊宿には「個別の水回り」がインテリアの格上げのみならず、費用面でも実現可能かも!と感じました。しかもリフォームの際は、納戸など4.5畳ほどの小部屋を間取りを変えずに活用できます。

 日本人と外国人で、浴槽入浴の頻度に違いがあるのかの調査では、「毎日浴槽につかる」「浴槽につかることが多い」と答えた日本人は計64%、外国人は計27%という結果が出ています。(2021年ライオン株式会社調べ)日本人でも、36%は浴槽につからない入浴スタイルなんですね。私もロンドン滞在中は、疲れた時だけバスタブにお湯を張っていました。バスタブの中だけ掃除するのはとっても楽で、洗い場のない水回りスタイルは、家事の負担が少なく、将来的に日本でも浸透するかもしれません。(ユニットバスの代わりに海外風のバスタブ、提案してみたいなぁ・・・)

 なんでも、エアビーは、日本の全国古民家再生協会に総額1億5000万円の寄付をしたそうで、インバウンドが復活している中、日本の伝統的な家屋を体験したいと思っている外国人旅行者は多いようです。古民家を民泊にリフォームする際、個室ごとに水回りを設置し、エアビーを利用して日本に滞在する外国人旅行者にアピールしてみてはいかがでしょうか。

デザイン集団「メンフィス」

デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催されていた
「EARTH STATIONS by AMDL CIRCLE」
ミケーレ・デ・ルッキと未来を共有する建築展に行ってきました。

建築家ミケーレ・デ・ルッキの世界各地でのプロジェクトが紹介されていました。

昔、スチレンボードで模型を作成していた身としては、おそらく3Dプリンターで
作成された模型が羨ましいです。こんな有機的なカタチ・・・スチレンボードで作れない!

ロイヤル・エンバジー・アカデミー(ベトナム)

こちらは、ベトナムで2019年から進行中のロイヤル・エンバシー・アカデミーの完成予想図。アートと音楽、スポーツ、エンターティメントに特化したスペースを備えた教育センターだそうです。

バイテレック・ブールバード(首都ヌルスルタン・カザフスタン)

こちらは、カザフスタンで2019年から進行中のバイテレック・ブールバード。アート、イベント、商業など多機能を備えたセンターで、ヌルスルタンのもっとも重要な地区の再開発となる公共スペース。

ベトナムといい、カザフスタンといい、発展が目まぐるしいですね。アジア各地を仕事で飛び回っている人が、日本の国際空港に降り立ったら、どこの発展途上国かと思ってしまう、と感想を漏らしていましたが、こんなプロジェクトが次々と起こっているのですね。アジアの発展のパワーを感じます。3DCADが出現して、建築様式も大きく変わっているのが感じ取れました。

ところで、ミケーレ・デ・ルッキは、1980年代、一大ムーブメントを巻き起こした「メンフィス」のメインメンバーでもありました。

引用元:Memphis Milano Official Site

「メンフィス」のデザインの特徴は、アールデコ・バウハウス・ポップアート運動に影響をうけ、曲線とランダムなフラットシェイプで構成されています。特徴的なグラフィックは、静止しているのに泳いでいるような浮遊感と大胆な色のコントラストが特徴です。家具やテキスタル、セラミック、ガラス、金属などいろいろな素材使いに大きく影響を与え、ポストモダンの流れを作りました。

80年代の私は、「メンフィス」の名前もしらない中学生でしたが、メモ帳の柄など「メンフィス」風の雑貨がおしゃれと感じてました。懐かしい。

流行とは恐ろしいもので、「メンフィス」風のものが、世の中にあふれ、デザインの悪いコピー商品があふれ、だんだん飽きられていく・・・、というサイクルに陥りました。
わたしも、高校生になると、ダサく感じていたのですが、世の中って 表層しかみてないと
損しますね・・・。

David Bowie’s Collection of Memphis Group Art at the Modernism Museum

デビットボウイは、アート・コレクターとしての側面も持っていて、ポストモダンデザインの代表格メンフィス・グループの作品の熱心なコレクターでした。彼の死後、ボウイのコレクションは競売にかけられ、相当、価値が付いたようです。

VIEW BOWIE’S MEMPHIS GROUP COLLECTION 

もちろん、当時の私に本物の「メンフィス」の家具が買えたわけではありませんが、ダサいと感じて、流行が終わったと感じていた私に喝を入れたいです。
好き・・・を追求し、本物を見る目を養うえば、流行りに流されることもないな・・と
改めて感じました。

最近、メンフィススタイルが再び脚光を浴び、存在感を放ち始めています。
80年代にはじまり、90年代のポストモダンを牽引したスタイルがどのように現代で
リバイバルされるのか…動向を見ていきたいですね。

最近よく見るテラゾー柄なども、メンフィス・スタイルの影響を感じます。

テラゾー柄