造作家具を安く作る方法

リフォームの場合、ぴったりなサイズにすることができる造作家具。

家具屋さんに発注する手もありますが、

家具造作は、結構、値が張ります・・・

そこで、大工さんに本体を作ってもらい、扉を建具屋さんにお願いしました。

扉は、モールを付けて、

赤穂段通のギャラリーを意識した、西洋趣味を取り入れたデザインにしています。
(赤穂段通は、江戸末期に 西洋の絨毯に触発され、独自の技法で発展した日本三大段通のひとつです。)

写真は、シナ合板のままですが、

これから 渋い赤色に塗装する予定。

しかも、お客様と一緒に塗ります!

自分で出来ることは、自分でするのも安くする方法です!

「選択」がわたしを作る~本「選択」の科学

今まで 見向きもしなかったビジネス書。「金持ち父さん 貧乏父さん」など ハウツーものが気になるようになりました。フリーで働くには、仕事に対するモチベーションを保つ必要があるので、つい ふらふらとそんな本に依存しそうになる。手に取りましたが、何冊読んでも一緒です。一冊の本なり、格言を 肝に銘じる、もしくは ちゃんと実践する方が大切。知識を磨く本を読もうと思いました。
しかし、そういったビジネス書の根拠となるデータは、大学で実験してるのですね。

「選択の科学」
コロンビア大学ビジネススクール特別講義

シーナ・アイエンガー教授

ジャムを選択する実験。

 著者が行った実験の中でもっとも多く引用され、応用されている実験が紹介されていました。
アメリカの品揃え豊富なスーパーで、ジャムの試食コーナーを設置。
2パターンの試食コーナーをでどちらが売上がいいか実験しました。
ウィルキン&サンズの28種類のジャムのうち

1.24種類 試食可能な場合

2.6種類だけ試食可能な場合

24種類のときは、買い物客の60%が試食に立ち寄った。
6種類のときの買い物客は、40%しか訪れなかった。
24種類の時も6種類の時も、試食客が試食したジャムは平均2種類程度だった。
試食した人には、割引クーポン券を配った。
それでは、1・2の場合 実際にジャム売り場に訪れ、そこでジャムを選び、レジで支払いしたひとは、どっちが多かったのでしょう。あなたならどう行動しますか。
6種類の試食に立ち寄った客のうち、ジャムを購入したのは30%だったが、24種類の試食の場合、実際にジャムを購入したのは、試食客のわずか3%だったのです。実験データでは、パーセンテージしか記載ありませんでしたが、仮に100人のお客様が来店したとすると

100人×60%×3%=2人弱

100人×40%×30%=12人

6倍以上の差が!

たしかに、品揃えの多いお店で、特定の商品を試食・試飲してますね。
私たちは、選択肢がないと不満を抱きますが、選択肢が多すぎでも困惑し、選択しないという行動にでます。
こういった行動も科学され、ビジネスに応用されているとは驚きでした。

 「選択」に作用するもの

一番怖いなぁと思ったのは、自分が「選択」した結果に囚われ、自分が望んでいたのだとつじつまを合わせる心理が働き、行動を鈍らせる場合もあることです。
イソップ物語の「すっぱいブドウ」のお話がおぼえていますか?
キツネはどうにかしてブドウを取ろうとして、しばらくの間がんばってみるが、どうしても届かない。そこでキツネはあきらめ、こんな負け惜しみを言って立ち去ります。
「あのブドウは、どうせ酸っぱいに決まってるさ。」
キツネの心変わりは、わたしたちが選択した行動とつじつまを合わせるために本能的に取る方法の典型例です。

イソップ物語 奥が深い・・・・

著者は、両親がインドからの移民でシーク教徒。3歳の時、目の疾患を診断され、高校に上がる頃には全盲となった女性です。
著者が、盲目でありながら 緻密な実験・考察・執筆をこなしていることにも驚きです。
原題は「The Art of choosing」

境遇を強く生き抜いた彼女だからこそ、「選択」を前向きに捉え、科学の力を借りて選択を行うこともできるが、(いま話題のAIは、その可能性がありそう)それでも選択が本質的に芸術であり、力や神秘、そして並外れた美しさが備わっていると 締めくくっています。

本の感想

選択が ヒトをカタチつくる。キツネみたいに 本心を誤魔化さないよう 気を引き締めます・・・
また、ジャムの話は、打合せのツールに応用しようと思いました。
インテリア商品は無限にありますが、おすすめをちゃんとピックアップしておきます!

無垢床材の魅力 

以前勤めていたホルツェン神戸は、エコ建材を扱う会社でした。もともと、北欧(スェーデンやノルウェー)から床材やドアを輸入する商社でしたが、自然素材の建材を紹介するうちに、北欧やドイツの環境に対する意識の高さに触れ、エコ建材を中心としたラインナップとなりました。

北欧パイン無垢床材は、循環型


産地であるスェーデンでは、パインの森が畑のように管理されています。木を伐採する量を定め、それに応じて植林する循環型のシステムです。山の多い日本に比べ、森が平地にあるので重機が使いやすく、機械化も進んでいました。
しかしながら、スェーデンから日本まではるばる 船で運んでくる材料なので、地産地消の考えから批判されることもありました。今では、杉の無垢床材が、エコ建材の代表でしょうか。日本の森も、スェーデンのように循環型の森になったらいいなぁ。実際、日本の里山を守ろうと地道に努力されている林業組合も多くなっています。それでも、住宅の流通量からすると採用件数は少数派ですが・・・

クレームの嵐?!

エコ建材として自信を持ってお届けできるパイン床材でしたが、日本の市場では、なかなか受け入れられませんでした。

「無塗装です。現場でオイル塗装お願いします。」
「現場で床貼ってから塗るんか!手間代はどうするんや!」

「節がいっぱいあります。節の穴が空いた部分は、カットしてください。」
「不良品を売るんか!なめとんか!」

「木が伸び縮みするので、壁から空かして施工してください。」
「大工が責任持てんと言ってる!施工する大工 連れてこい!」

現場に納品する前から、こんな調子です。
施工した後も いろいろあって

「溝に隙間が出来た!」
(自然素材だから・・・と思いつつ 謝る)

「お醤油こぼしたら、シミになって取れない!」
(オイル仕上げだから、早く拭かないと・・・と思いつつ 謝る)

「お客さんが、イメージと違うと言ってる!」
(自然素材とのコーディネートに問題が・・・と思いつつ 謝る)

何度、現場まで謝りに行ったことか・・・。
同僚と 売りたくないよねと愚痴をこぼしていました。が、自然素材が注目され出した頃で、雑誌に掲載されるなど、問い合わせが後を立ちませんでした。

自然素材の魅力

それでも、エコ意識の高い建築家の方から愛用者が増え、自然素材を前向きに採用する工務店とご縁ができていきました。

2度と使うか!と捨て台詞を言われることもありましたが、その場合、現場に行くと パイン床材が、かわいそうなぐらい ダサい!!

反対に、雑誌に載るような著名な建築家の方に採用していただくと、なんて素敵なパイン床材なんでしょう!!と 惚れ惚れします。自然素材の触感や均一でない豊かな表情が、「味わい」と「深み」を与えています。

同じ材料なのに、どこが違うんだろう・・・・と不思議に思っていたのですが、

だんだんと 理由がわかってきました。

オイル仕上げの質感を理解すること。質感です!!

ファッションでいうと 麻のワンピースを素敵に着こなせるかどうかです。

無垢材は、経年変化で飴色に変化し、「味わい深く」なります。
パイン床材を販売しているときは、素敵にしてくれる方、大切にしてくれる方のところに嫁いでね!と 子供をお嫁に出す気分で、仕事していました。
クレームは多かったけど、無垢材の魅力を知ると、自分の子供のように愛おしいです。